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2024.06.07

コラム

梅雨空調除湿雷対策

梅雨に起こりやすいお家のトラブルと解決法

梅雨の時期が迫ってきましたね。
今年の梅雨入りは例年より遅いようですが、みなさん準備はできていますでしょうか?

梅雨の長く雨が続く時期には、古いお宅や小屋を中心に「雨漏りが発生した」などのお問い合わせもチラホラきます。
雨漏りや湿気は木材をダメにしてしまう危険性があります。
そもままほったらかしにせず、早めの対策をすることをおすすめしたいですね。

ということで、今回は梅雨に発生しやすいトラブルや事前対策についてお話できればと思います。
トラブルの事前予防などにお役立てください!

梅雨に気をつけたい! 雨漏り・湿気・カビ

雨も多ければ湿度も高くなってくる梅雨。
木材は乾燥状態が保たれれば非常に強度があるのですが、水で濡れて湿潤状態が続くとシロアリや腐朽菌などにあっという間にやられてしまいます

「木材を濡れたままにしない!」というのが大事になってきます。

<雨漏り>

以下のようなところからの雨漏りがよくみられます。

▶︎屋根
 経年により塗装が薄くなったり剥がれたり、錆びている部分。
 板金の破損部や防水シートの劣化。谷の部分や壁との取り合い部分も要注意。
▶︎ベランダ
 年数が経っていると防水層の剥がれやヒビから漏れることも。
 排水口が詰まっているとプールのようになってお部屋に水が溢れてくることもあるので要注意。
▶︎外壁
 外壁のヒビや、屋根との取り合い部分。
▶︎窓サッシ
 パッキンの経年劣化部分。
▶︎排水設備
 雨どいでのゴミ詰まりなど。

雨漏りは、施工不良や家の構造上の問題で起こることもありますが、経年劣化による影響が多いといえます。特に屋根などは普段見えない位置にあるものなので、異常を見つけにくいところでもあります。
できれば最低でも10年おきにプロに確認してもらうのが良いかと思います。

例えば、古い家はトタン(亜鉛メッキ鋼板)の屋根が多く、経年により塗装が剥がれサビやすい素材でもあります。屋根材のサビを放置すればそこから穴あきにつながり、雨漏りまで一直線です。
定期的に塗装をし直すことである程度サビを抑えたりすることもできますが、限界が訪れるのは割と早め。古すぎてサビだらけという場合は、屋根の葺き替えを検討した方が良いでしょう。

最近はガルバリウム鋼板やSGL鋼板の屋根が増えています。一般的なガルバリウム鋼板は「保証10年(穴あき)」ということが多いようですが、SGL鋼板の場合は「保証25年(穴あき)」!という長期保証がついています。
とはいえSGL鋼板でも、何も点検や塗り替えをする必要がないわけではなく、メーカーの日鉄鋼板さんによれば、点検の結果を見ながら「11~15年」ほどで最初の塗り替えを検討することが推奨されています。

そしてその後も、使用した塗料の種類に応じて塗り替え推奨期間がカタログに記載されていますので、しっかりと屋根の塗り替え時期を考えておく必要があります。

SGL鋼板ならそう簡単には穴あきまでいかないとは思いますが、穴あきが増えてくれば雨漏りの原因の1つになってきますので、しっかりと塗り替えしてサビを防ぐことをおすすめします。

https://www.niscs.nipponsteel.com/products/pdf/nisccolor-pro.pdf

<湿気・カビ>

湿気が多いところではカビも発生します。
キッチンやお風呂、洗面所など水回りが多く、日ごろから確認することをおすすめします。また、棚の中などは整理整頓して、風の通り道をつくっておくことも、湿気をおさえる対策としては良い方法です。

また、暗くて風通しが悪いところも注意が必要です。
例えば、クローゼットや押し入れは湿気がたまりやすい場所です。
特に布団は人が寝ている間に沢山の汗を吸収しているので、収納しているところは要注意!! 布団を干してから入れたり、湿気取りを置いておくなど対策をしておくのが良いでしょう。

ひと昔前は、クローゼット・押入には折れ戸や引き違い戸などの建具を設置するのが当たり前でした。
それだとクローゼット・押入内の空気が入れ替わりづらく、湿気が溜まってカビの発生につながります
当社ではそれを防ぐため、クローゼット・押入には建具をつけず、空気が室内と循環しやすいロールスクリーンで仕切るのをお勧めしております
ぜひご参考にしてください!

他にも、梅雨の時期は洗濯物も乾きにくかったり、部屋干しで湿気もこもったままになります。
除湿機やエアコン除湿で室内の湿度を調整するなど、湿度を抑えることでカビ予防もしていきましょう!

木材や家具の膨張と歪み

よく言われるように「木材は生き物」です。水分や湿気を含むと膨張します

ポエミーな書き方なので誤解のないように注記しますが、「木材は生き物」「木材は生きている」というのはあくまで物のたとえであることをご了解ください。
木材の細胞は、実際には死んでいます
水分や湿気で膨張するのは生きているからではなく、そういう特性(吸脱湿性)を持つ物質だからです。生理現象ではなく物理現象ということです。
(参照:宮崎県木材利用技術センター https://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/kankyo/mokuzai/wurc/mametisiki/ikiteiru/ikiteiru.html

梅雨の時期は湿度が高くなるため、湿気を吸った木材は平時よりも膨張しやすい時期です。
これは梅雨の時だけでなく、湿度の高い夏を通してその傾向が強まります。

以前投稿した記事「経年で味が出る無塗装杉板張りの外壁」にて、外壁に杉板を張っていくときにはスペースをあけながら張る必要があることをご紹介しました。梅雨の時期はこのあけたスペースがぴっちり埋まるほど木材が膨張している様子が見られます。

膨張は材の歪みにつながることもあります。
例えば、室内の障子戸などが想像しやすいかもしれません。梅雨の時期は開けにくいと感じたことはないでしょうか? 木材を使用する障子の枠は湿気の影響を大きく受けます。膨張により押し引きしにくくなるというのはよくある話です。

膨張への対策としては、やはりこれも湿度の調整が必要です。必要に応じて除湿器やエアコン除湿を使用して湿度を調節することで、木材の膨張を抑えることができます。
ただ、屋外など、湿度の調整が不可能な箇所に木材を使用する場合は、膨張を見越してスペースをあけるしかないですね。

他には、家具の表面を保護するという方法もあります。
例えば、家具の表面に木材保護剤やワックスを定期的に塗布することで、水の浸透を防ぐことができます。
もし梅雨の時期に木製家具などが軋んだり、動作に違和感を覚えたときは、お家の湿度をチェックしてみるといいかもしれませんね!

「雷サージ」に気をつけて!

皆さんの家では雷対策をしてますか?

「雷が鳴ると梅雨が終わる」とよく言われるように、梅雨から夏への移行期間には激しい雷に襲われることがよくあります。
※実際には雷と梅雨明けに因果関係があるわけではなく、元々その時期は雷が起きやすい時期だというだけと言われています。

もし雷が家を直撃した場合、なんの対策もしていないと、「雷サージ」で多くの電化製品がダメになってしまいます…(泣)

最悪、コンセントに繋いでいる電化製品をほぼ買い直さねばならず、金銭的な負担は甚大です!!
特に、夏の必需品であるエアコンや冷蔵庫が止まっては悲惨です・・・
そうなる前に、簡単にできる対策はしておくことをオススメします!

一番良い方法としては、雷の気配がしたら「パソコンや家電製品の電源を切る」「LANケーブルなど外部と繋がっているケーブル類を全て外す」など電源の元を抜いておくというのが一番いいですが、雷が落ちる前にできるかというと難しいでしょう。
なので、以下のように電源の元を抜かなくても対処できる方法を試してみると良いかと思います。

(引用:https://panasonic.jp/life/safety/130007.html

対処方法① 雷をブロックする雷サージ保護機能付きの電源タップを利用する

いちばん簡単な対策は、雷サージ保護機能付きの電源タップを利用することです。完全には雷サージの被害を防げませんが、被害にあう確率を下げることはできます。
雷サージ保護機能付きの電源タップは、雷の過剰な電圧を吸収して家電の故障を防いでくれます。ただし、ずっと利用できるわけではありませんので要注意。ご利用の際は「タコ足配線しない」「雷が鳴っているときは抜き差ししない」といった点にも注意してください。

対処方法② 雷保険で修理や買い替えの出費をカバーする

雷保険への加入しておくのも一つの手です。故障を防ぐわけではありませんが、修理や買い替えの出費を補うことができます。落雷は天災なので、雷で家電が故障、損傷してしまった場合、メーカーの無料保証期間内であっても修理は有償になります。販売店の延長保証や火災保険(家財)によっては落雷被害の補償を付けられるものもあるので、事前に調べておくとよいでしょう。

注意:雷が鳴っているときは電源に触れないで!!

雷が鳴りはじめたら、感電の恐れがあるので家電やパソコンの電源には触れないでください!テレビの電源やアンテナ線、電話機・ファクスの電源や電話機コード・子機用充電台・電源プラグには触れないように注意しましょう。

注意:停電になったら電源プラグを抜く!

停電してしまった時は、家電製品の電源プラグをコンセントから抜くことをおすすめします。これは復帰の際に、電源につないでいる家電製品が一斉に運転を再開してヒューズやブレーカーが飛ぶ恐れがあるためです。特にエアコンや電子レンジなどは電力を多く使用するので、優先的に対応しておくと良いでしょう。

実際雷が家の近くや直接家に落ちた場合、完全に雷被害を防ぐというのは難しいです。
なので、上記のように被害を緩和させたり、保険をかけておくことをオススメします!

ちなみに、雷との距離を光と音で予測することができます!!
「落雷地点までの距離(m)=340(m/秒)×光ってから音が聞こえるまでの時間(秒) 」
例えば、雷が光ったあと10秒後にゴロゴロと音が聞こえたとすると、約3.4km離れていることになります。 なので、3秒と経たないうちに音が聞こえた場合は、そこから約1km以内のところに落ちていると算出できます。
雷が光って音が鳴るまでが早いと感じたときは、すぐに安全な場所に避難するようにしましょう!!

今回は梅雨の時期に起こりやすい、お家に関係するトラブルや対処方法をご紹介しました。
これらはどんな家でも起こりうる被害でもあります。
そして、どの問題にも当てはまるのが「人の手で管理・対策する必要がある」ということです。

モノを長持ちさせるには「手入れ」が大事です。
それは家も同じです。異常を発見した時に何もせず放っておけば劣化の程度と範囲が加速していき、直せるものも直せなくなるのです。

例えば、日々家を清潔にし、晴れの日には換気をして空気を入れ替える。という「手入れ」をするだけでも、何もしないよりは家を長持ちさせる一助になるでしょう。
傷ついていたら、部分的に補修できるのが、木造建築の良いところでもあります。

「何もしない」というのがお家にとって一番の「傷」になります。
長い年月を共に生きる家族の居場所を、ぜひ「手入れ」していただければとお思います。

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