今回建築している朝日町モデルハウスの基本性能についてご紹介します。
今回のモデルハウスは超高性能。具体的には以下の通りです。
①耐雪2.0m ※積雪の単位荷重=30N/cm/㎡
②耐震等級3
③断熱性能 Ua値0.21W/㎡・K
※3地域における断熱等級6、HEAT20 G2、やまがた健康住宅基準レベルⅡ(☆☆)
④完成気密性能(目標値) C値0.5㎠/㎡ ※やまがた健康住宅基準
⑤1.3m高基礎(床下収納天井高1.4m)
⑥1階床下エアコン暖房・2階ホールエアコン冷房と室内循環ファンによる簡易な全館空調
⑦ダクトレス式全熱交換型第1種換気
⑧屋根一体型太陽光発電 申請出力5.0kW ※Nearly ZEH
上記の通りです。
ここまでの高性能だと、予算に問題がなかったとしても、他の工務店さんやハウスメーカーで対応可能な会社を探すのが困難なレベルになってきます。
一つずつ説明していきたいと思います。
①耐雪2.0m
設計積雪量を2.0mとして構造計算を行っております。
建築地である朝日町は、県の建築基準法施行細則によれば垂直積雪量が2.0mです。
設計積雪量を2.0mとして構造計算すれば、屋根の上に2.0mを超える雪が積もらない限りは雪下ろししなくても耐えられることになります。
実際に朝日町で建築されている住宅は、そもそも構造計算をされていない場合がほとんどですし、構造計算をしていたとしても設計積雪量を1.0mまで低減(施行令第86条第6項の雪下ろしによる低減)していることがほとんどとみられます。(もっといえば、肌感としては九割超は前者)
その点、積雪2.0mまで雪下ろしが不要であることは、雪国に住む身であればそのありがたさがお分かりいただけるのではないかと思います。
さて、朝日町にお住まいの方であれば不思議に思うかもしれません。
本当は建築地の敷地の広さを考えれば、雪止めを付けずに落雪屋根とすることも問題なく可能ではあります。
なぜそうしないのか?
実際のお客様の建築地では、落雪させた雪を片付けておくスペースがないことがほとんど。
特に寒河江市や山形市など、当社が新築工事することの多い市部ではそれが顕著です。
しっかり構造計算をすれば、雪下ろしをしたり、落雪を片付けたりする手間を大きく省くことができる。
そんなことをモデルハウスでお示ししたいという意図があり、今回はあえて雪止めを付けて雪を載せておく計画にしている次第です。
少子高齢化や人口減少が進む山形県では将来、雪下ろしの担い手がほぼいなくなってしまうことが予想されます。
そんな時代に備えて、雪下ろしや雪片付けの手間をなるべく省くことのできる耐雪設計とすることをお勧めします。