「CoRoDo.」モデルハウスでは、3台のエアコンが全館空調のメイン機能を担っています。
本投稿ではもう少し、各エアコンの役割について詳しくご説明させていただきます。
併せて、近年増えてきている「エアコン1台で全館空調できます!」という家のもつリスクについても触れさせていただきます。
1台目:床下エアコン
「床下エアコン」と言いつつも、当社で設置する場所は1階の床面すぐ上。脱衣所に設置することを推奨しています。
能力としては4.0kWのいわゆる「14畳用エアコン」です。
こちらは主に冬場の暖房を主目的としたエアコンです。冬場は24時間常時運転させておくことで床下に暖気を吹き込み続け、1階の床全面が床暖房のようにじんわり暖まります。
これによって1階床面の表面温度は真冬でも25℃前後をキープ可能。無垢の桧のフロアであることも相まって、素足で生活するのが気持ちよく感じられます。
そして、1階の窓下の床面にはスリットを入れており、そこから床上に暖気が上がります。この暖気が吹抜けや階段を通して2階エリアまで拡散。家全体の断熱性・気密性が高いことから、この床下エアコン1台だけで、1階・2階ともに暖かい空間が維持されます。
床下エアコンは兵庫県の松尾設計室様が世に広めたもので、山形県内でも採用される例がだいぶ増えてきているようです。
一方で、「床下の掃除どうする問題」が残されているのもまた事実。
当社では高基礎による天井高1.4mの床下空間があることで、自分の手で床下を掃除できるという解決策をご提示しています。これは新潟県のオーブルデザイン様が長年実践されてきたことを真似させていただいてるものです。
また、床下エアコンの注意点としては夏の「冷房」には使用しない、ということ。
真夏の暑い時期であっても、足の裏や足元が冷たいのはとても不快に感じるのです。真夏の自動車の中でも、足元を冷房すると不快に感じますよね? あれと同じなのです。
ただ、床下空間の湿度が高い時には除湿運転をおこなうことを推奨しています。
2台目:2階ホールエアコン①
2階ホールにもエアコンを設置しています。能力としては2.2kWのいわゆる「6畳用エアコン」です。
こちらのエアコンは主に夏場の冷房と梅雨時期の除湿を主目的としております。
冬場の暖房補助としても使用できますが、基本的には床下エアコンのみで充分暖まるので冬は使用しません。ただ、暖房用の床下エアコンが故障した時のバックアップとしては活躍するでしょう。
冷たい空気は下に降りていく性質がありますので、吹抜けや階段を通して1階も充分に冷やしてくれます。
能力的にはこの1台だけで夏場の全館冷房は可能です。
ですが、近年のエアコン機器は非常に壊れやすいため、バックアップとしてもう1台、次の通りエアコンを設置することを推奨しています。
3台目:2階ホールエアコン②
2階ホールエアコンのバックアップです。
何回でも言いますが、近年のエアコンは非常に故障しやすくなっていることで有名です
冷房用エアコンが1台しかなくてそれが故障した場合、高気密高断熱の家では熱が逃げずに家の中にどんどん溜まっていってしまい、オーバーヒートしてしまいます。
「壊れたらすぐ直すか交換すればいいじゃないか」という意見もあるかもしれませんが、壊れるのは大抵、真夏の暑い時期です。そんな時期にエアコンの修理や交換を依頼しても、1ヶ月待ちは当たり前。近年では2ヶ月待ちと言われることもたびたびあります。その間、無冷房で過ごせば居住者の命に関わります。
エアコンは室内機が非常に大きく不格好なので、なるべく数を少なくしたい、という気持ちは理解できます。
しかし、見た目の良さと人命とを天秤にかけて、見た目の良さを取ることは普通はないでしょう。
以上のように、故障時のリスクヘッジという目的もありますが、エアコンは1台でがんばって冷やすより、2台でそこそこのがんばりで冷やす方が長持ちもしてくれます。
もしくは、1日おきに片方ずつ運転させることで長持ちさせるという方法もあるでしょう。
エアコン1台で年中快適!のリスクはちゃんと伝えているのか?
近年では「エアコン1台で年中快適!」を謳いアピールする会社が非常に増えています。
高気密高断熱の家づくりをして、少し空調計画を工夫すれば、そんなことは簡単に可能なのです。
エアコンの台数を減らすメリットは何でしょうか?
建築時及び将来の取替え費用を削減する効果もあるでしょう。
内観がすっきりするという効果もあるでしょう。
でも、当社ではしません。
なぜなら前述の通り、1台しかない空調機器が故障すれば、下手すると人命に関わるからです。
もう一度言いますが、近年のエアコン機器は頻繁に故障します。
そして壊れた時にはしばらく(1ヶ月以上)修理できませんし、交換もできません。
複数のエアコンを使用していれば、一つが故障しても他は稼働できるため、リスクを低減することができます。
「エアコン1台しかつけません!」という工務店・ハウスメーカーさんは、1台しかない空調機器が故障したときにどうなってしまうのか、ちゃんとお客様にリスクをご説明しているのでしょうか?(「デメリット」ではありません。明確な「リスク」です。)
東京消防庁の発表によれば、令和4年6~9月期に熱中症で救急要請を受けた発生場所のうち、「住宅等居住場所」が全体の41.3%を占め、ダントツでもっとも多かったということです。
以前ご紹介したヒートショックしかり、熱中症しかり。生活の中で一番危ない場所は「家の中」だと言っても過言ではありません。
「エアコン1台のみ」の住宅は、熱中症による被害者増大を助長するリスクが隠れていることを肝に銘じるべきと考えます。
以上の通りメリットとデメリットを考慮すれば、エアコンを1台しかつけないという選択肢はあり得ないということをご理解いただけるのではないかと思います。
YouTubeでも「CoRoDo.」モデルハウスのオススメポイントをご紹介しています。
興味のある方はぜひチェックしてみてください。
https://youtu.be/B-Drn9Pyr_4