皆様、これから冷房機器の運用が必須となる季節に突入するというのに、悲しいお知らせです…
「6月から電気代がまた上がります!!!(泣)」
以下、5月22日付けのネット記事からの抜粋です。
6月使用分(7月請求)の家庭向け電気料金が大手電力10社全てで大幅に値上がりする見通しとなったことが22日、分かった。価格を抑える政府の補助金が、6月使用分から廃止されるため。前年同月と比べ、関西電力では46.4%、九州電力では43.8%の上昇となる。
https://news.goo.ne.jp/article/kyodo_nor/life/kyodo_nor-2024052201001422.html
再生可能エネルギー普及に向け、電気料金に上乗せする賦課金が4月に引き上げられたことも影響した。その他の値上がり率は中部が25.1%、東京が20.9%、四国が20.1%、沖縄が19.4%、東北と北陸が17.5%、北海道が17.2%、中国が14.4%となる。
東北は、2023年の6月と比べると電気代が「17.5%」も上がるとのこと、、、
標準家庭の6月の電気代は8,855円。色んなものが高騰している中でこれは中々の痛手です。
なぜ上る?!電気代
前述の引用の通り、値上げの理由は大きく「国からの補助金終了」と「再エネ賦課金の増額」にあります。
2022年からの世界情勢の大きな変化を受け、政府は総合経済対策のひとつとして、一般家庭と企業の電気代・ガス代の負担軽減策「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を実施しました。しかし、その補助事業も2024年5月で終了、、
6月使用分の電気代から補助金による緩和がなくなるため、7月の支払いはこれまでより料金が高くなるということです。価格の激変緩和対策事業がなされてきたとはいえ、結局は激変するという結果に。
また、再エネ賦課金は、どの電力会社と契約していても、電気を使ったら必ず支払うものになりますが、その値段が2024年4月から値上がりしました。
(参照:再エネ賦課金2年ぶり上げ 標準家庭で月836円負担増)
東北電力の料金のお知らせを例にすると「再エネ発電促進賦課金」の名前で内訳が書かれているかと思うので、ご家庭の賦課金がいくらか気になる方はチェックしてみてくださいね!
再生可能エネルギーの普及を促進し、化石燃料への依存を減らすことを目的として2012年から実施されている「再エネ賦課金」ですが、年々値上がりが続いており、今回で過去最高額となったそう。
環境省の発表によると、固定価格買取制度が終了し、再エネ賦課金が0になる見込みは2048年。2030年頃からやっと再エネ賦課金の減額が始まるとの予測ですが、それまでは増額し続ける見通とのことです。
(参考:https://looop-denki.com/home/denkinavi/energy/electricity-en/renewableenergylevy/)
「太陽光パネルなんて載せてないから、再エネ賦課金は許せない!」という方も多いと思いますが、再エネ賦課金の「取られ損」を防ぐためには、ご自宅にも太陽光パネルを搭載してFIT制度の恩恵にあずかるという方法も良いでしょうね。
「再エネ賦課金のおかげで太陽光の売電価格がある程度得られている」と思えば、気持ちが随分楽になりますよ! 戸建住宅の持ち家の方は、一考する価値は充分にあるかと思います。
とはいえ、電気料金を抑えるにはまず第一に「省エネな暮らし」が重要なのに変わりはありません。
真夏に電気代の節約どうする?!
昨今の異常気象の中、真夏の暑さを凌ぐにはエアコンの稼働が必須です。
冬の暖房時の電気料金に比べれば、夏の冷房時の電気料金は大した額ではありませんが、それでもエアコンの電気代は無視できません。使用量を抑えて我慢してしまう方もいるかもしれません。
しかし冷房器具を使わないのは、猛暑の中では危険な行為!! 健康や命を害さないためにも、生活スペースの快適さを優先すべきです。
月に数千円の冷房費を我慢した結果、熱中症で命を落としてしまったら元も子もありません。
「じゃあ、どうやって電気代を抑えればいいのか?!」そこが悩みどころです。
ということで、色々な節電方法があるかと思いますが、弊社の家づくりでも実践している暑さ対策も含めた「我慢しない省エネで暑さを凌ぐ方法」をご紹介できればと思います。
すぐに実践できる方法
◼︎窓の外に簾やサンシェードをつけ、日射遮蔽する!
実は窓などの開口部から入る熱量はかなり多く、住宅全体の7割以上といわれます。そのため、窓辺の日差し対策を万全にし、熱の流入を抑えることで、エアコンの冷房負荷が抑えられ、我慢しなくても室内を快適に維持できます。
(参考:https://www.ykkap.co.jp/consumer/satellite/products/articles/feature/019/)
新築やリフォームでできる工夫
◼︎屋根の軒を広めにして、真夏の直達日射を避ける!
上記の日射遮蔽対策でお伝えしたように、窓から入る熱量は7割以上! そして、外壁から入る熱量も合わせると8割以上となります。
真夏の太陽は南中高度が高いため、一番日差しの強い昼間は太陽が真上ぐらいに位置しています。なので、屋根の軒をしっかり出す形にすることで、窓や外壁への直達日射を遮り、屋内への熱流入を緩和させることができます。
(近年、屋根の軒があまり出ていない四角いお家が良く見られるようになりましたが、弊社の家づくりではあまりおすすめしておりません…)
とはいえ、実は太陽の南中高度がピークに達する時期(夏至)と、日本が一番暑い時期(7月下旬~8月)は一致していません。
しかも建物の窓の向きが真南からずれれば、軒の出や庇では窓への直達日射を遮ることは期待できなくなります。
それでも、外壁面への直達日射量軽減や外壁の劣化軽減の効果も考えれば、軒はなるべく出した方が良いのには違いありません。
◼︎窓の外に簾やサンシェードをつけ、日射遮蔽する!
すぐに実践できる方法で述べた通りですが、窓から流入する熱を抑える方法としては外付けの簾・シェードが効果バツグンです。
新築設計時から簾や外付けシェードの取り付けを前提とした家づくりをすることをおすすめします。
◼︎太陽光パネルを設置して自家発電・自家消費をする!
太陽光パネルによる発電で電気製品の使用エネルギーを賄うことで、電気料金の削減につながります。また、余った電気は電力会社に売ることもできるので、場合によっては儲けが出ることもあります。
ちなみに、前述の再エネ賦課金は従量制で、電力会社から購入した電気1kWhあたりいくらで加算される仕組み。そのため、自家発電をした電気を使用する分については当然電力料金に加算されませんので、再エネ賦課金も加算負担対象外になります。効果は大きいですよ!
◼︎断熱性能を高める! 高性能な窓を使う!
建物の断熱性能を向上させれば、外気の熱が建物に伝わりづらくなります。冷房効率が向上しますので非常に有効です。
また、窓からの熱流入が多いとお伝えしましたが、高断熱でLow-Eガラスを使用した窓サッシを使うことで「室内に光を取り込みつつ熱の流入は緩和する」ということができます!
最近は建物の断熱性能を求めるあまり、窓をできるだけ小さくした家が増えているように感じますが、当社はそれには反対です。
特に冬の日照時間が短く暗い日が続く日本海側の雪国では、なるべく明るく冬も過ごせるよう、大きな窓を設けるべきと考えます。
その一方で、夏の暑さを軽減するための工夫が必要ですので、その両立が難しいところでもありますね!
いくつか電気代を節約する家づくりや暮らしの工夫をご紹介させていただきましたが、書ききれないぐらい他にもできる工夫はあります!
当社では家づくりで本当に重要なことをお伝えするための「家づくり勉強会」を開催しています。
お気軽にお声がけください!