屋内でコップの水が凍るほどの寒さだった、改修時築166年の古民家。
断熱工事ができる箇所は徹底してやることで、
現代の家とそれほど変わらない断熱性能にまで改善することができました。
冬の暖かさが実現でき、お客様も大変満足の性能向上リノベーションとなりました。
UA値 | 0.66W/㎡・K |
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外壁まわり | 大壁に改修してグラスウール120㎜充填 |
屋内の新設間仕切壁 | グラスウール105㎜充填 |
床断熱(大引間・根太間) | 合計140㎜グラスウール充填 |
天井断熱 | グラスウールブローイング300㎜ |
外部との境界 | 室内側に防湿気密シートの施工 |
敷地面積 | 2527.41㎡ / 764.54坪 |
延床面積 | 252.68㎡ / 76.43坪 |
1階床面積 | 252.68㎡ |
その家が建てられたのは、ペリー来航から3年後の安政三年。西暦でいえば1856年のこと。
築166年にもなる古民家の改修は、当社としては初めての経験。地元のひな祭りで享保雛を毎年一般公開する由緒正しい家とあってはプレッシャーもひとしお。
「玄関入ってすぐ、小屋組み・野地板あらわしの空間はそのままが良い。銅板葺きの屋根も部分張り替えのみで。当時の貴重な細工が多く残る和室もそのままにしてほしい。」などの施主様ご要望により、フルスケルトンによる「まるごと断熱」ではなく「ゾーン断熱」による改修を選択。
昔のつくりをそのまま残したいという箇所も多く、断熱・気密ラインは完璧には確保できないものの、「やれるだけのことはやる」という方針で、断熱改修を含むリノベーションにあたりました。
お気に入りポイント
約50年前、先代が構想し断念したリノベーション工事が、半世紀の時を経てようやく叶いました。
改修前は無断熱ですので、真冬の朝には家の中でもコップの水が凍っていることもよくありましたが、改修後は非常に暖かく過ごせています。
少し暖房をつけただけで充分に暖かくなりますし、夜に暖房を消しても翌朝寒くありません。
昔の面影を残したい箇所が多く、まるごと完璧な断熱・気密工事とはいきませんでしたが、それでも充分な暖かさが得られ、改修を決断して本当に良かったと思います。
築166年の古民家でも、ゾーン断熱でやれるだけのことをやれば現代的な暖かい暮らしは可能であることが実証できました。