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2025.08.10

現場レポート

断熱性能新築気密性能省エネ高気密高断熱

小原公民館の新築工事②|断熱・気密工事が完了! 快適性と省エネの要とは?

前回のレポートでは、建て方の様子をお届けしました。
今回はその続きとして、公民館の断熱工事と気密工事の進捗をご紹介します。

住宅や公共施設において、快適な空間をつくるためには、断熱性能と気密性能が非常に重要です。ただ建てるだけではなく、「中の環境をいかに快適に保つか」が、長く使われる建物に求められています。

今回の工事では、パラマウント硝子工業の高性能グラスウール「太陽SUN」を使用して充填断熱を行い、さらに防湿気密シート「ダンタイト」による壁・天井の気密工事も完了しました。
本記事では、それぞれの工事の詳細と、なぜ断熱・気密がこれほどまでに重視されるのか、その理由についても分かりやすく解説していきます。

充填断熱工事の様子

充填断熱とは?

「充填断熱(じゅうてんだんねつ)」とは、建物の外壁内部や天井の構造材の間などに断熱材を詰め込むことで、内外の熱の出入りを抑える工法のことです。
多くの木造住宅や公共建築で採用されている、現在日本で最も一般的な断熱工法の一つです。

<特徴>
・構造体の内部に断熱材を入れるため、外から見えず、仕上げに影響しにくい
・(外張り断熱などに比べて)比較的コストが抑えられ、施工しやすい
・使用可能な断熱材の種類が幅広い(グラスウール、セルロースファイバー、ボード系断熱材など)

<注意点>
充填断熱は、断熱材の詰め方や施工精度が性能に大きく影響します。
たとえば断熱材に隙間があると断熱欠損となり、そこから熱が逃げたり、結露が起きやすくなったりするため、丁寧な施工が不可欠です。
今回の公民館の現場では、断熱材にいつも弊社で使用しているパラマウント硝子工業の「太陽SUN」を使い、職人さんが一つ一つ手作業で隙間なく充填しました。
この施工は、断熱効果を最大限に発揮するための重要なポイントです。

断熱施工の流れ

施工は、壁・天井にフレーム(間柱)の間隔に合わせて「太陽SUN」を隙間なく丁寧に充填していく作業です。
壁内にはしっかりとカットした断熱材をはめ込み、たるみや隙間ができないよう注意して作業していきます。
天井部分は重力の影響を考慮して、ずり落ち防止のための押さえ材を併用します。
配線や配管が通る部分も、できる限り断熱材を切り欠いてフィットさせる工夫を実施していきます。

断熱材が少しでも浮いていたり、隙間が空いていたりすると、そこから熱の逃げ道ができてしまいます。特に公共施設のように多くの人が利用する場所では、安定した室温管理が求められるため、この充填作業の精度と丁寧さが非常に重要です。

気密工事のポイント

断熱性能を十分に発揮させるためには、気密性能が欠かせません。
いくら高性能な断熱材を使っても、空気の漏れがあっては外気が入り込みやすくなり、室内の温度を保つためのエネルギーが増加してしまいます。

いつもの弊社の新築住宅現場同様、今回の現場でも気密工事のために「ダンタイト」という防湿気密シートを採用しました。

「ダンタイト」とは?

「ダンタイト」は、水蒸気や湿気、空気を通さないという特性を持った「防湿気密シート」です。
このシートを断熱層より室内側に張ることで、室内の湿気を壁体内に侵入させることなく、気密も高めて外気の侵入も防ぐという、理想的な性能を発揮します。
建物の長寿命化や、内部結露による構造劣化の防止にもつながるため、弊社の家づくり・建物づくりの中でも非常に重要な建材の一つです。

気密工事の具体的内容

断熱材の上から「ダンタイト」を連続的に貼り合わせることで、壁全体をしっかりと覆います。
様々な取り合い部分には専用の気密テープを使って、空気の通り道を完全にシャットアウト。
電気配線・スイッチ・コンセントまわりは気密ボックス等の補助材を使い、細部まで気密処理を行います。配管やダクトの貫通部は、気密パッキンやコーキングで丁寧に仕上げました。

C値とは?

住宅の気密性能を表す指標に「C値」があります。これは、建物全体でどれくらいの隙間があるかを表す数値で、C値が小さいほど高気密であることを意味します。
今回の公民館では高気密住宅並みの基準を目指して施工を行いました。
通常弊社の仕様の場合、C値の測定は気密工事完了後と建物完成後の2回おこなっていますが、今回は費用節約のため建物完成後に1回行う予定です。

断熱性能と気密性能が建物に与える影響

断熱と気密は、両者が揃って初めて快適で省エネな空間が実現します。今回の公民館の工事でも、この2つを高いレベルで確保することを重視しました。

1. 快適な室内環境の実現

断熱性が高いことで、外気温の影響を受けにくくなり、夏は涼しく、冬は暖かい環境を維持しやすくなります。
さらに気密性が加わることで、外気の侵入によるすきま風感も防げて不快感を感じません。
また高気密高断熱の副産物として外部の騒音も防げるため、静かで安定した室内空間が保たれます。
公民館のような不特定多数の人が利用する施設において、これも一つの利点でしょう。

2. エネルギー効率の向上と光熱費の削減

空調でつくった快適な温度の空気が外に逃げず、外の熱気や冷気が中に入り込まないため、冷暖房の効率が大きく向上します。
結果として、主に電気代などのランニングコストが抑えられるのです。

3. 建物の寿命とメンテナンス性の向上

気密シート張りによって防湿層の設置も兼ねており、室内で発生した湿気が壁体内に侵入し、壁内結露を発生させるリスクが大きく低減されます。
これにより、構造材が腐食したりカビが発生したりするリスクも減少します。
結果として、建物そのものの寿命が延び、メンテナンス頻度も少なくて済むため、長期的に見て非常にコストパフォーマンスに優れた建物になるのです。

よくある質問にお答え! Q&A

Q1. 断熱材の厚さは厚ければ厚いほど良いのですか?

A. 断熱材が厚いほど断熱性能は高くなりますので、予算が潤沢なのであれば厚いほど良いでしょう。
一方で有限の予算をどこにどれだけ配分するかという観点で考えると、ちょうど良い塩梅のところがありますので、必ずしもとにかく厚ければ良いとは限りません。

建物の構造や地域の気候、そして建築予算に応じた、最適な仕様の選定が大切です。
特に、山形県は気候が厳しい3地域または4地域に該当する場所がほとんどです。
冬と夏に建物内でより快適に過ごすためには、断熱材の性能は快適な家づくりをする上で大事なポイントとなってきます。

Q2. 断熱や気密の工事は、見えなくなる部分だから適当にされる心配はありませんか?

A. 見えなくなる箇所だから適当に施工しても構わないだろう、という業者は確かに存在します。
弊社では、自社の設計者と施工管理担当が現場の施工状況を管理するほか、第三者監査の仕組みも取り入れて工程ごとに品質チェックを徹底しています。
断熱材の充填から気密処理、そして施工状況のチェックまで、自社チーム内で責任をもって施工・管理する体制を整えています。
高い品質の工事を安定して提供できるのが私たちの強みです。

Q3. 断熱・気密性能を高めると、自然の風通しが悪くなるのでは?

A. 住宅に意図せず空いてしまう隙間を当てにして換気・風通しを期待することが、そもそも誤りです。
高気密高断熱住宅が始まった数十年前も、息苦しい住宅になってしまうなどという見当違いの意見がありましたが、間違っています。

換気の観点で言うと、現代の住宅は24時間換気が義務付けられており、一般的には換気機器を用いて第三種換気もしくは第一種換気による換気をおこないます。
その換気機器による換気は、住宅内に意図しない隙間が空いてしまっていると、計画通りに換気することができなくなってしまいます。
ストローでジュースを飲む際、ストローのどこか途中に小さな穴が空いているとうまく吸うことができないのと同じ原理です。
気密性能を高めることで、換気が計画通り効率的におこなえ、新鮮な空気が常に供給されるようになるのです。

まとめ

今回の断熱・気密工事は、建物の暖かさ・涼しさに関わる基本性能を決定づける重要な工程でした。
断熱材には、高性能グラスウール『太陽SUN』を採用し、壁や天井へ隙間なく丁寧に充填。その上からは、防湿気密シート『ダンタイト』を施工することで、建物全体の気密性を高め、防湿層もしっかり確保しました。

これによりこの公民館は、
・四季を通じて快適な室内環境を維持
・冷暖房効率の向上による省エネ効果
・構造材の劣化を防ぎ長寿命化
といった、多くの利点を備えた施設になります。

公共施設だからこそ、誰もが快適に、そして安全に利用できる空間づくりが求められます。そのためには、こうした目に見えない工事の品質こそが大切なのです。

次回は、内装工事や仕上げの様子をご紹介する予定です。壁や天井の仕上げ材、床材の選定、設備機器の取り付けなど、より完成形に近づく工事が進んでいきます。
どのような空間に仕上がっていくのか、どうぞご期待ください。

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