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2026.02.25

コラム

コンセント人間工学注文住宅

コンセントの配置はどこがいい? 使いやすい位置や数について

なぜコンセントの配置が重要なのか

コンセントは単なる「電源の穴」ではなく、生活動線と身体の使い方に密接に関係しています。
家の中で使う家電の位置、立つ・座る・寝るといった動作の高さ、コードの取り回しなど、すべてがコンセント配置と関係しています。

よくある後悔例には、以下のようなことがあります。
・掃除機をかけるたびに延長コードが必要
・テレビやWi-Fiルーターの配線が目立つ
・ベッドサイドでスマホを充電できない
・キッチン家電を使うたびにコードが邪魔

これらはすべて、「設計段階で生活動線を考慮していない」ことが原因です。
後から後悔しないように、設計段階でコンセントの配置についても計画的に考えましょう。

人間工学から考えるコンセントの基本配置

適切な高さの目安

日本の一般的な家庭では、床から25cmの高さにコンセントを設けるのが標準です。
しかし、これが「使いやすい高さ」かどうかという点では大きな疑問があります。

以前、「人間工学と住宅の関係性とは?「過ごしやすさ」のために気にすると良いポイント」という記事で、コンセントの高さについても考察しました。

その中で述べたように、アメリカやイギリスでは、コンセントの高さは床面から40~45cmが一般的なのです。
日本のコンセント高さが25cm程度が一般的になったのは、「日本の一般家庭に電気やコンセントが普及し始めた当時はまだ、畳敷きの家で地べたに座布団を敷いて生活するスタイルがほとんどだったことに由来するのではないか」と推測しております。
たしかに畳に座布団で座っている時は、45cmの高さにコンセントがあると高すぎて使いづらいのは明らかです。25cmくらいでちょうど良いと感じます。

しかし、今は日本の一般家庭でも和室の方が珍しい時代となりました。ほとんどの方はフローリング敷きの部屋にテーブルと椅子で生活しているはずです。
立った状態から、床上25cmのコンセントに差し込むためには腰を大きく曲げる必要があり、腰に大きな負担がかかります。
一方で、床上45cmのコンセントであれば、腰を曲げる負担は各段に軽減され、小さな負担で抜き差しすることができるようになります。
固定観念にとらわれず、使いやすい45cmの高さにすることを推奨します。

人間工学では、「人が自然に手を伸ばせる範囲」をリーチゾーンと呼びます。
リビングやデスクまわりでは、このリーチゾーンの中にコンセントを配置するとストレスが減ります。

部屋別・使いやすいコンセントの配置と数の目安

コンセントは後から追加で設置する場合、高い費用がかかる場合があります。
必要な場所に足りない! と完成後に後悔しないように、またタコ足配線ばかりにならないよう、計画して配置しましょう。

リビング

テレビ周辺:最低4〜6口(TV、レコーダー、ゲーム機、Wi-Fiルーターなど)
ソファ周り:スマホ充電・照明用等に2〜4口
掃除機用:各壁の中央や廊下側に1口ずつ
▶︎合計:8〜10口以上が目安。少し多めでも良いでしょう。
※色んな機器の配線コードが集まる場所なので、コードの配線をスッキリ見せたい時は、間取りや家具との兼ね合いも考えてコンセントを配置する必要があります。

キッチン

調理家電用(炊飯器・電子レンジ・トースターなど):2〜3口
作業カウンター上:床から100cm程度の高さに2口
冷蔵庫専用回路:1口(アース付き)
▶︎合計:6〜8口以上+専用回路

※キッチンは水回りが近いため、防水・耐熱タイプのプレートを選びましょう。

寝室

ベッドサイド:スマホ充電・スタンド照明用に2口ずつ
テレビ・空気清浄機・加湿器用:2〜3口
▶︎ 合計:4〜6口以上が目安

※ベッドヘッド付近にはUSB付きコンセントを設けるとさらに便利です。

子ども部屋・書斎

勉強机周辺:ノートPC・照明・プリンター用に3〜4口
部屋の隅:掃除機・扇風機などのために1〜2口
▶︎ 合計:5〜6口以上が理想

玄関・廊下・洗面所

玄関:掃除機用などに2口以上
洗面所:ドライヤー・電動歯ブラシ用・電動髭剃り用などに2〜3口以上
廊下:ナイトライト・空気清浄機などで2口以上
▶︎ 見落とされがちな場所こそ快適さを左右します。

将来を見据えたコンセント計画

家電の増加・IoT化への対応

スマート家電、ロボット掃除機、電動自転車充電など、電力を使う機器は年々増加しています。
「今ちょうどいい数」ではなく、将来を見据えて+20〜30%多めに設置するのが賢明です。

延長コードに頼らない設計

延長コードや電源タップは一時的な解決策ですが、見た目が悪く安全性も低下します。
設計段階で「ここで電源を取りたい場所」をすべてリスト化し、壁や床に直接設けるのが理想です。

高齢者・子育て世帯への配慮

高齢者には「低すぎない高さ」、子育て世帯には「安全カバー付きコンセント」を推奨します。
また、将来的に家具の配置が変わっても使いやすいよう、左右対称配置を意識しましょう。

後悔しないためのチェックポイント

間取り制作の段階で生活動線をシミュレーションすることをお勧めします。
家電の位置・掃除動線・充電場所を実際に想定します。
普段の生活の仕方やルーティーンを思い出し、動線の洗い出しをすると話し合いがしやすいでしょう。また、利き手をどう使うかなども考えると、使いやすさにつながります。

家具配置図をもとに設計士と相談するソファ・ベッド・収納などの配置を先に決めてから、最適な壁位置を決定します。

電気工事士に「専用回路」が必要な家電を確認する電子レンジやエアコン、洗濯機などは専用回路が必要ですので、リストアップなどをしておくと良いでしょう。

まとめ:暮らしの快適さは「小さな設計」で決まる

コンセントの配置は、家の快適さを決める“見えない設計”です。
数が足りない、位置が悪いという小さなストレスが、日々の暮らしに大きな影響を与えます。

コンセント配置のチェックリスト

・各部屋で使用する家電の数をリスト化したか
・座る・立つ・寝るなどの姿勢を想定して高さを決めたか
・将来の家電・IoT機器に備えて余裕を持たせたか
・延長コードなしで使える配置になっているか

人間工学に基づいた設計を行うことで、「使いやすい」「見た目もスッキリ」「安全」な住まいが実現します。
コンセント計画は、後からでは変えにくいからこそ、最初にしっかり考えることが何より大切です。

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