せっかくの新築を検討するのであれば、家の外観にはこだわりたいものです!
地上からはそれほど見える部分ではありませんが、屋根の色なんかも色々選べる箇所のひとつです。
最近は「白い屋根」を採用する例も散見されます。
白い屋根を採用することで家の見た目が良くなったり、省エネ効果が得られるのか、メリットとデメリットを比較検討したいと思っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、白い屋根のメリット・デメリットを具体的に解説し、機能性とデザイン性の両立を実現するための2つの工夫を紹介することで、後悔しない選択をできるようにサポートします。
白い屋根のメリットとデメリット
白い屋根の魅力は、なんといってもその優れた遮熱効果にあります。
1:遮熱効果が高い
白い屋根は太陽光を反射する特性を持つため、屋根が太陽光を吸収しにくくなります。
これにより、夏場の室内温度の上昇を抑え、エアコンの冷房負荷を減らすことが可能になります。
結果として、冷房費の節約や環境負荷の軽減にもつながります。
特に近年の夏は異常に高い気温が問題となっています。
家の中で熱中症になるという事例も増加しており、夏の暑さはまさに災害レベル。
夏場の宅内における健康被害の抑止という面でも、白い屋根は効果を得られそうです。
ただし、過剰な期待は禁物。
一般的な住宅の場合、屋根葺き材のすぐ下が室内空間というわけではなく、通常は通気層や小屋空間を挟み、さらに断熱層を挟んだうえで室内空間となります。
屋根葺き材の色の違いによって表面温度は十数度も変わってきますが、室内空間が十数度も変わってくるわけではありません。
さらにそれが冷房の電気代まで及ぼす影響はそれほど高くないと考えましょう。
2:汚れやすい
一方で、白い屋根は汚れが目立ちやすいという欠点も持ち合わせています。
特に車の通行が多い大通り沿いでは、排気ガスや大気中の汚れが付着しやすい傾向があります。
屋根は気軽に掃除できない場所なので、美観性を重視する人は白系の色は避けたほうが良いでしょう。
とはいっても、雨水よってある程度定期的にチリ・ホコリは洗い流されますので、それほど気にすることでもないでしょう。
3:周囲から目立つ
白い屋根は他の色の屋根に比べてまだまだメジャーではないため、周囲から目立つというデメリットもあります。
特に日本では、伝統的に瓦や暗い色の屋根が多く採用されており、白い屋根は非常に珍しい存在です。
そのため、近隣との調和という観点では周囲から浮いてしまう可能性があります。
しかし、逆に言えば、独自性やデザイン性を求める場合には、大きなメリットとも言えます。
周囲とは一味違う外観を求める住宅や商業施設では、白い屋根が個性的な魅力になります。
白い屋根の選び方の2つの工夫
白い屋根のメリットを活かしつつ、周囲との不調和といった見た目のデメリットを解消するためには、機能性とデザイン性のバランスを取る工夫が必要です。
ここでは、そのための具体的な方法として、2つのアプローチを紹介します。
1:周囲から見えやすい下屋部分を濃い色に変える
下屋(げや)とは、2階の屋根ではなく1階部分にかかっている低い屋根のことです。
玄関上など目立つ場所に下屋があるお家も多いでしょう。
通常の新築時は、特段の希望がなければ2階の大屋根と1階の下屋は全て同じ色の屋根葺き材で葺かれるのが一般的です。
しかし、白系の色の屋根葺き材で周りから浮いてしまうのが心配な方は、周囲から見えやすい下屋だけを別の色とするのも一つの手段です。
色分けが可能かどうか、施工会社に確認してみましょう。
2:グレーなど中間色を使う
もう一つのアプローチは、グレーなどの中間色を屋根に使用することです。
グレーは汚れが目立ちにくく、かつ周囲の景観とも調和しやすい色だからです。
グレー系の屋根葺き材でも真っ白に比べれば遮熱効果は低くなりますが、真っ黒な屋根葺き材に比べれば多少は遮熱効果が期待できます。
真っ白でないとまったく効果がないというわけではないので、グレーでも安心して使用できます。
ただし、そもそも前述の通り屋根葺き材の色の違いによる遮熱効果がそれほど大きく冷房負荷に影響するわけではありませんので、過度な期待はしないようにご注意ください。
まとめ
白い屋根は遮熱効果が高く、冷房費の節約や環境負荷の軽減に貢献する優れた選択肢ですが、汚れやすく、周囲から目立つというデメリットもあります。
白い屋根を採用する際には、下屋を濃い色にする、グレーなどの中間色を使うなどの工夫によって、機能性と見た目のバランスを調整することが重要です。
これらの情報を参考に、家のデザインや環境に最適な屋根を選んでください。
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