水回りのリフォームは、住宅の快適性や機能性を大きく向上させる重要な機会です。キッチン、バスルーム、トイレ、洗面所といった水回りは、毎日使用する場所であり、経年劣化や生活スタイルの変化によって使い勝手に不満を感じることも多々あります。
「収納が足りない」「お風呂が寒い」「掃除がしにくい」などの悩みは、リフォームによって改善が可能です。さらに、最新の設備には節水・省エネ機能が搭載されており、光熱費の削減やエコな暮らしにもつながります。
この記事では、水回りリフォームの基本知識、費用相場、そしておすすめのメーカーをご紹介します。
水回りリフォームとは?
リフォームの必要性は状況に応じて様々ありますが、水回りについては以下のような対象が考えられます。
どんな場所や設備になるか、前もって把握しておくと今後の備えになるでしょう。
対象設備の詳細
・キッチン:システムキッチンの入れ替え、換気扇交換、食器洗い乾燥機の導入など
・浴室:ユニットバス入替え、在来工法浴室をUBに更新、断熱化、浴室暖房・乾燥機設置など
・トイレ:温水洗浄便座付き便器、タンクレス便器化、手洗いカウンター設置など
・洗面所:洗面化粧台、収納棚、ミラーキャビネット、床・壁デザイン変更など
リフォームのタイミング
どの設備に関しても保証期間や耐用年数が設定されているかと思いますが、おおよそ築15年〜20年を目安に設備の交換を検討するのが良いでしょう。
キッチンの水栓やレンジフード音の増加、浴室の水はけが悪い、便器の水漏れ、洗面所のカビや変色など、劣化のサインを見かけたら要チェックです。替え時の判断に迷う場合は、専門業者に確認してもらうのも良いかと思います。
目的ごとの分類
設備の老朽化や故障以外の理由で、リフォームを検討するのも良いでしょう!
日々の生活を快適に豊かにするための方法としても考えてみてください。
・性能重視型:節水、断熱、防カビ機能など、光熱費削減と快適性向上
・デザイン重視型:見た目の刷新や最新のトレンド導入(カラー、素材、照明)
・動線・収納改善型:家事効率アップのための収納・レイアウト変更
・バリアフリー&安全性重視型:手すり、段差解消、滑りにくい床材、防水設計など


各設備のリフォーム内容と費用相場
以下は各設備のリフォームの例と、費用の相場観になります。
費用についてはあくまでも相場。現場の状況等によって費用は変わりますので、実際の費用はしっかりと見積もりを取ることが重要です。
キッチン
<リフォーム内容の具体例>
システムキッチン交換
収納引き出しの改善
レンジフードの交換
食洗機導入
<費用の内訳例>
本体定価:60万~200万円
工事費(解体、配管、電気工事など):20万~40万円
オプション(食洗機、タッチレス水栓、ディスポーザー):10万~30万円
総額目安:70万~250万円
バスルーム
<主なリフォーム内容>
ユニットバス設置:浴槽・床・壁パネル一体構造のユニット
断熱仕様・保温浴槽:ヒートショック防止やガス代節約効果
浴室乾燥暖房機:除湿・冬暖房・衣類乾燥にも活用
バリアフリー設計:段差なし入口、手すり、滑りにくい床
<費用の内訳例>
ユニットバス本体:70万~150万円
追加オプション(乾燥機、ミストサウナ、手すり):5万~30万円
工事費(解体、給排水、電気工事):20万~40万円
総額目安:80万~200万円
トイレ
<主なリフォーム内容>
便器交換(従来型/タンクレス/ウォシュレット付き)
便座変更(暖房、脱臭機能付き)
手洗い器・カウンター設置等追加オプション
クロス・床材の張り替え
照明・換気扇の更新
<費用の内訳例>
便器本体:5万~20万円
ウォシュレット便座:3万~10万円
内装工事(クロス、床張替え):5万~15万円
工事費:2万~10万円
総額目安:15万~50万円
洗面所
<主なリフォーム内容>
洗面化粧台交換(収納付き、ミラーキャビネット一体型)
照明の見直し:LED照明や間接照明など
床・壁材の更新:水に強い材質、防カビクロス
家具収納の追加:リネン庫や造作棚
<費用の内訳例>
洗面化粧台本体:15万~30万円
内装材・床材:5万~15万円
既存処分・工事費:5万~10万円
総額目安:20万~50万円
おすすめの設備・メーカー紹介
タカラスタンダード(Takara Standard)
強み:ホーロー製の面材使用。頑丈で汚れに強く、カビも発生しにくい収納や壁パネル。
代表設備:
システムキッチン「トレーシア」:高耐久ホーロー素材とたっぷり使える大容量収納が特長
ユニットバス「グランスパ」:掃除しやすいホーロー製浴室壁パネルで清掃性◎
おすすめ層:
手入れのしやすさを重視したい方
長期間の使用でも色あせや劣化を防ぎたい方
クリナップ(Cleanup)
強み:ステンレス製のキッチンが中心で、衛生的かつ耐久性あり。
代表設備:
キッチン「ステディア」:収納から調理まで快適性に配慮
バス「アクリアバス」:保温・断熱仕様、掃除のしやすさも配慮
おすすめ層:
衛生・清潔性を重視する方
洗剤などでこすっても劣化しにくい素材を希望する方
パナソニック(Panasonic)
強み:IoTや家電との連携機能、デザイン性と機能性の高さ。
代表設備:
トイレ「アラウーノ」:タンクレスがスタイリッシュな自動お掃除機能付きトイレ
キッチン「ラクシーナ」:タッチレス水栓、省エネ照明・IHクッキングヒーター連携
洗面化粧台「ウツクシーズ」:収納構造にこだわり、使い勝手が良い収納設計
おすすめ層:
料理や掃除を効率化したい方
スマートホーム化に関心のある方やデザイン性を重視する方
TOTO
強み:トイレ分野で圧倒的なシェア、高機能な清掃性・節水技術。
代表設備:
トイレ「ネオレスト」:自動洗浄、便器の形状と素材で汚れを防止
浴室「シンラ」:人造大理石浴槽+断熱構造で温かさが長持ち
洗面「オクターブ」:大型収納と優れた清掃性を両立
おすすめ層:
トイレの清潔性にこだわる方や陶器製にしたい方
節水性と快適性を兼ね備えた設備を求める方
リフォームを成功させるためのポイント
馴染みの施工会社などがある方は、そちらに依頼すると色々と融通が効くかと思います。
施工会社選びから始める方は事前の情報収集と比較検討が大事になってきます。
以下を参考にして、後悔しないリフォーム計画を進めていただければと思います。
業者選びのコツ
・施工実績や評判を確認する
各社のHPやSNSで写真付きの事例を確認したり、顧客レビューを把握しておくのも良いでしょう。
他にも、地域密着の工務店などであれば、その土地にあった施工を考えてくれたり、全国規模の会社よりも安く請け負ってくれる可能性もあります。
・アフター保障・保証内容
工事後の対応や自然瑕疵保証、定期メンテナンスの有無の確認も大事です。
万が一施工不良などがあったとき、これらの事前確認をしていないと損をする時があります。
見積もり時の注意点
商品の本体価格に加えて「工事費」「現状処分費」「廃材処理費」などを含めた総額と内約を確認しましょう。
また、施工内容にはオプション費用(自動水栓、照明追加、電源増設)がかかるものも会社によってあるので、内容は明細化してもらうと他社との比較検討がしやすくなります。
他にも、工期、支払い方法、トラブル時の対応フローを契約前に整理することで、スムーズにリフォームを進めることができます。
補助金・助成金の活用方法
現在、全国的にリフォームやリノベーションを推進していることもあり、国や自治体よりリフォーム向けの補助金事業が発表されている場合があります。
国の住宅省エネ補助制度や自治体ごとのリフォーム助成金(バリアフリー設備、省エネ改修などが対象)などの制度を利用して、通常よりもお得にリフォームをしませんか?
手続きは必ず工事前に申請が必要であるほか、申請期限などもあるので注意しましょう。申請するときは必要書類(見積書、申請書、設計図)が揃っているかしっかり確認しておくことで、申請時の不備をなくせるでしょう。

まとめ
水回りのリフォームは、日々の生活を快適にし、住宅の資産価値を高める有効な手段です。キッチンやバスルーム、トイレ、洗面所それぞれに合ったリフォームを行うことで、家族全員が満足できる住環境が実現します。
費用相場を把握し、信頼できるメーカーの設備を選び、優良な業者に依頼することで、失敗しないリフォームが可能になります。
あなたのライフスタイルに合った設備・デザインを取り入れ、理想の水回り空間を手に入れてください。