家づくりを考えるとき、多くの方が最初に直面する悩みのひとつが「収納スペースをどこにどれだけ確保するか」です。
生活していくと、衣類や家電、趣味の道具、子どもの成長とともに増える思い出の品など、モノは確実に増えていきます。収納が足りなければ居住スペースを圧迫し、整理整頓が難しくなってしまいます。
そこで注目されるのが、床下収納と小屋裏収納です。どちらも居住スペースを狭めることなく「隠れた空間を有効活用できる」点が魅力です。しかし、実際に暮らしていく中で使いやすい収納空間はどちらなのか?という点で悩まれる方は少なくありません。
本記事では、床下収納と小屋裏収納の仕組みやメリット・デメリットを比較し、どちらがライフスタイルに合っているかを徹底的に解説します。その上で、弊社が自信を持っておすすめする「高基礎を利用した大容量の床下収納」の魅力をご紹介します。
床下収納とは?
床下収納は、建物の基礎部分や1階の床下を活用して収納を作る方法です。多いものとして、キッチンの床に小さな点検口兼用の収納庫を設けるケースなどがあります。
弊社では、高基礎を利用した大容量の床下収納をおすすめしています。
床下収納のメリット
・物の出し入れのしやすさ
床下に直接アクセスできるため、荷物の出し入れがスムーズです。日常的に使う備蓄品や調味料のストック置き場として便利です。また、重いものなど、持ち上げたり運んだりするのが大変なものを楽に収納することができます。
・温度が安定しやすい
床下は外気の影響を受けにくく、夏場でも屋根裏のように極端に暑くなることはありません。保存食品やワインなどの保管にも向いています。
ただし、空調計画がしっかりしていないと、カビくささの原因にもなるため要注意です。
・防災備蓄庫として最適
水や非常食、防災グッズを一箇所にまとめて収納できます。災害時にもすぐ取り出せる安心感があります。
床下収納のデメリット
・施工費用
通常の床下点検口に純正の収納ユニットを取り付けるだけであれば、少しの増額で可能です。
・湿気が溜まりやすい
床下で閉ざされた空間となるため、通気が滞り、湿気が溜まりやすいことが多いです。弊社がおすすめする高基礎による床下収納の場合は、床下エアコンの設置とセットですので除湿が可能です。

小屋裏収納とは?
小屋裏収納とは、小屋裏空間のデッドスペースを活用して作る収納です。通常は最上階の天井裏に配置されることが多いでしょう。
住宅の設計段階から検討する必要があります。見た目にはわかりにくい「隠れ部屋」のような存在でもあります。
小屋裏収納のメリット
・家の一番のデッドスペースを収納に使える
通常では使われない小屋裏の空間をフル活用できるため、かなりの収納量を確保できます。衣替え用の衣類や布団、ひな人形やクリスマスツリーなどの季節用品もまとめて収納可能です。
・居住空間を圧迫しない
居室の面積を削らずに収納が増えるため、生活スペースを広々と使えます。
・秘密基地のような雰囲気
子どもにとっては特別な空間として楽しめることもあります。
小屋裏収納のデメリット
・昇降の不便さ
昇降時は、折りたたみ式のはしごや固定階段を利用します。特に前者の場合、重い荷物を持っての上り下りは危険を伴うこともあり、高齢になるとさらに負担が大きくなります。
固定階段だとしても、ワンフロア分およそ14段前後の階段になりますので、昇降が大変と感じる方もいるかもしれません。
・温度・湿度の問題
屋根直下のため、夏場は40℃以上になることも珍しくありません。紙類や食品、精密機器などは劣化のリスクが高まります。
屋根断熱として、小屋裏空間にエアコンを設置して冷房可能とすれば暑さはクリアすることも可能です。ただし、最近のエアコンは不具合や水漏れのリスクが高まっており、普段行き来しない小屋裏空間のエアコンを普段から運転しておくことのリスクも考えておく必要があります。
・建築基準法上の制約
収納スペースとするには「小屋裏物置等」の仕様を適用する必要があり、天井高さは1.4m以下、床面積は隣接階の1/2未満と定められており、居室としては使用できません。あくまで「物置」に限定されるため用途が限られます。

高基礎を利用した大容量の床下収納をおすすめする理由
床下収納の弱点を補い、さらに利便性を高めたのが「高基礎を利用した大容量の床下収納」です。これは基礎部分を高く設計することで、収納空間を人が屈んで歩けるほどの高さに拡張したものです。
この高基礎は、新潟の住宅専門設計会社・オーブルデザイン様が長年取り組まれている設計を真似させていただいているものです。
そもそも基礎を高くするのは床下収納が主目的ではありません。あくまでシロアリの半永久的な予防のための高基礎となります。
しかし、この高基礎によって生まれる余剰空間が、床下収納としても非常に有用なのです。
高基礎で生まれる床下収納の魅力
・圧倒的な大容量収納
通常の床下収納では収まらない大型家電やアウトドア用品、季節家具までも収納可能。小屋裏収納以上の収納力を誇ります。
・湿気対策で安心
高基礎はシロアリ予防が目的でありますが、同時に「床下エアコン」による暖房とも相性が抜群で、冬の快適さを提供してくれます。
そしてエアコンによる空調が使えるということは、除湿も可能ということ。特に梅雨時などの湿気が気になる時でも、除湿によって低湿度環境を維持でき、カビのリスクを抑えられます。
衣類や布団、ひな飾りや兜飾りなども安心して保管できます。
・防災備蓄庫としての活用
長期保存食、水、燃料、発電機などをまとめて収納できるため、万一の災害時に非常に心強いスペースとなります。
・日常的に使いやすい
はしごや急な階段を使う必要がなく、誰でも簡単にアクセス可能。年齢を重ねても無理なく利用できます。
高基礎の床下収納活用アイデア
・衣替えの衣類や寝具
・季節家電(扇風機・ヒーター)
・アウトドア用品(キャンプ道具、自転車、テント)
・非常食や防災グッズ
・思い出の品やアルバム
大容量のため、季節のもの、永久保存のもの、とりあえずで取っておきたいもの、何でも保管しておけるのが高基礎床下収納の大きな強みです。

Q&A:高基礎による床下収納と小屋裏収納の疑問に答えます
Q1. どちらがアクセスしやすい?
→小屋裏収納ははしごやワンフロア分の固定階段が必要で、重い荷物の持ち運びは大変かもしれません。高基礎による床下収納は階段の段数も少なく、出し入れがスムーズです。
Q2. 温度や湿度は大丈夫?
→ 小屋裏収納は夏場に高温になりやすいため、高温に弱い物品の保管には不向きです。屋根断熱を採用してエアコンを設置し24時間稼働させれば室温は保てますが、エアコン室内機からの水漏れリスクが残ります。
一方、床下は比較的温度が安定しております。床下エアコンで除湿運転をおこない、湿度60%以下をキープすることでカビの心配はありません。
基礎コンクリートからの放湿が落ち着く2年目以降は、エアコンによる除湿もそれほど必要ではなくなります。
Q3. 収納容量はどれが多い?
→ 設計次第で高基礎床下収納は小屋裏に匹敵、あるいはそれ以上の大容量を確保できます。
Q4. メンテナンスや将来性は?
→ 小屋裏収納は昇降が負担になり、年齢とともに使いづらくなるケースがあります。
床下収納は無理なく使えるため、将来的にも安心して利用できます。
まとめ
小屋裏収納と床下収納はどちらも魅力的な選択肢です。
収納は毎日の生活に直結する大切な要素です。「今の便利さ」だけでなく「10年後、20年後も快適に使えるか」を考えることが、後悔しない家づくりにつながります。
弊社では、お客様のライフスタイルに合わせた高基礎を活用した床下収納プランをご提案しております。収納でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
床下収納の見学会実施中です
朝日町のモデルハウスでは高基礎を利用した床下収納を導入しています。
いつでも見学可能ですので、興味のある方はぜひ見に来ていただければと思います。
なお、スタッフが案内する見学に加え、お客様だけで見学が可能な「スタッフ無人見学」もご用意しています。どちらも事前予約で対応可能ですので、お気軽にご連絡くださいね。
