シロアリ対策は何かされてますか?
じつは、シロアリ対策において一番大事な箇所は家の基礎部分!
様々なシロアリ予防策がありますが、弊社では基礎の立ち上がりを高くすることを推奨しています。
シロアリ対策としての高基礎と、シロアリ被害防止のために気を付けることをご紹介いたします。
シロアリ対策、それで充分?
シロアリは乾燥や光を嫌うため、地中の暗闇の中を移動します。
そして、地表から基礎の立ち上がりを上って家の土台部分まで移動するときは、乾燥や光から身を守るため、蟻道(ぎどう)と呼ばれるトンネルのような道を作って移動します。
このシロアリによる被害は、地面からおおよそ1m以内の高さに土台・柱などの木質構造部材が存在すると、被害に遭いやすいといわれています。
そのため、新築工事をおこなう際は、シロアリ予防のために地面から1mの高さまで防蟻薬剤を土台や柱に塗るわけです。
ところが、この防蟻薬剤は物によっては10年ほどで薬剤の効き目がなくなると言われています。
防蟻処理の保証期間については施工から5年間というのが一般的ですが、大体10年くらいは持つだろうとは言われています。
「じゃあ10年経ったから、外壁を引っぺがして防蟻薬剤を塗り直そう」という話は聞いたことがありません。
つまり、防蟻薬剤がある程度安心なのは当初10年ほどで、それ以降はノーガード戦法。
床下に潜って、内側から塗り直しできる範囲だけは塗り直しをしたうえで、あとは実際に被害にあってから対応を検討することになります。
だったら地面から1m以内の範囲に木質構造部材を置かなければ、シロアリの被害にも遭いづらいだろうと考え、高基礎の家づくりを長年実践されてきたのが新潟県の住宅専門設計会社・オーブルデザイン様。
同社の設計を真似させていただき、当社でも基礎高さを高くした家づくりをすることを推奨しているところです。
山形県のような寒い場所でシロアリ?
シロアリは暖かい地域が主な生息地というイメージが強いため、「寒冷地である山形県でそんなに気にするほどのことなの??」と思われる方もいるかもしれません。
だからこそ、危険なのです!! シロアリ駆除の会社ピコイの担当者さんが言うには、シロアリのリスクを甘く見がちな山形県ではその被害が非常に多いと言います。
まして昨今の温暖化に加え、基礎断熱工法の広まりによって住宅の床下が比較的温かく、シロアリの被害を受けやすい環境が常態化しています。
シロアリには大きく分けて「イエシロアリ」と「ヤマトシロアリ」の2種類があります。
このうちイエシロアリは、その「水を運ぶ能力」の高さと「繁殖力」が特徴で、驚異的なスピードで家全体に甚大な被害をもたらすと言われています。
ですが、寒さには弱い種であるため、東北にまで生息域を広げてはいません。
(これも温暖化が進めばどうなるか分かりませんが・・・)
一方のヤマトシロアリは「寒さ耐性」が特徴で、北海道の中央付近、旭川にまでも生息域を広げております。当然、東北地方全域に生息しています。
山形県でシロアリといえば、このヤマトシロアリの被害に気を付けるべきでしょう。
基礎断熱の工法もシロアリ被害に関係アリ!
このヤマトシロアリの被害を防ぐために、どこのハウスメーカー・工務店でも防蟻薬剤を塗布したりしているわけです。
しかし、ピコイの方が言うには、より大事なことは「基礎外断熱」をしないこと、とのことです。
基礎外断熱は、断熱性能向上の効果としては基礎内断熱より非常に高いのは間違いありません。
しかし、シロアリはわずかな隙間でも侵入可能です。基礎コンクリートと基礎外に張る断熱材との間の隙間は、シロアリが嫌う乾燥や光から身を守ってくれる、ありがたい「通り道」となってしまいかねないということです。
ピコイさんによれば、本当であれば基礎内断熱であっても「やめておいた方が良い」、という考えだそうです。
一般の住宅の基礎工事では、どうしても土間部分と立ち上がり部分との継ぎ目に隙間が生まれてしまい、そこから基礎の内部(床下空間)にシロアリが侵入してしまう可能性があるためです。
ただ、その弱点となる継ぎ目に関しては、土間と立ち上がりを一体打ちするとか、継ぎ目部分にシロアリの嫌う金属製の板を差し込むとかで、防御することは可能です。
そういった防御策を講じたうえで、基礎内断熱を施す、というのが、山形県でのシロアリ対策と基礎断熱性能向上との折衷案となると考えます。
もちろん、前述の通り1m以上の高基礎とすることも組み合わせれば更に強固なシロアリ対策となるでしょう。 木造住宅の天敵はシロアリです。
せっかく建てた家がシロアリにやられては悲しすぎます。
「雪国だから大丈夫!」「防蟻薬剤を塗るらしいから大丈夫!」と思い込むことなく、しっかりとシロアリ対策に力を入れましょう。