吹き抜けのリビング、憧れの空間ですよね。
しかし、吹き抜けがあると寒いのでは?といった誤った解釈が今もって世にあふれています。
吹き抜けによる寒さを解決するためにシーリングファンを設置することを推奨している工務店・ハウスメーカーもまだまだ多いようです。
当社の推奨する断熱性・気密性の高い住まいでは、シーリングファンなどがなくても充分に暖かい住まいをご提供できています。
ですが、断熱性能が充分でない家であれば、たしかに吹き抜けは寒さの元となり、シーリングファンなしでは冬に快適に過ごすことができない、というケースもあるようです。
「断熱性・気密性が充分に高く、吹き抜けがあってもシーリングファンを必要としない家」と、「 断熱性・気密性が低く吹き抜けを設ける際にシーリングファンもセットで検討しなければならない家」。
どちらが良い家かは火を見るよりも明らかですが、とはいえ、まだまだ後者の住宅が多いのも現実かもしれません。
そういった住まいにならざるを得ない方に向けて、今回は吹き抜けへのシーリングファン設置について解説する記事を書いていきたいと思います。
シーリングファンの設置を検討する際には、サイズや位置、電気代、掃除方法など、様々な疑問が湧いてくるのではないでしょうか。
シーリングファンを吹き抜けに設置する際のポイントを分かりやすく解説し、効果を最大限に活かす方法をご紹介します。
シーリングファンで吹き抜けを最大限に活かす方法
吹き抜けの広さとシーリングファンのサイズ選び
吹き抜けの広さなどによって、適切なシーリングファンのサイズが異なります。
狭い吹き抜けに大きなシーリングファンを設置すると、圧迫感を感じたり、効率的に空気を循環させることができない可能性があります。
逆に、広い吹き抜けに小さなシーリングファンを設置すると、充分な空気循環の効果が得られない場合があります。
一般的に、吹き抜けの面積に対して適切なサイズのシーリングファンを選ぶことが重要です。
吹き抜けの面積が2畳~3畳程度の小さな空間でも、小型のシーリングファンであれば設置可能です。
ただし風量が小さくなるため、十分な効果を得られるかどうかは、ファンの性能や吹き抜けの形状などによって異なります。
吹き抜けの面積が広い場合は、大きめのシーリングファンを選ぶことが推奨されます。
シーリングファンの設置位置と高さ
シーリングファンの位置と高さも、空気循環の効果を左右する重要な要素です。
理想的には、吹き抜けの中央に設置するのが最も効果的です。
ただし、吹き抜けの形状や他の家具との配置などを考慮する必要があります。
また、シーリングファンの羽根と壁や天井との距離も重要です。
羽根が壁や天井に近すぎると、空気の流れが妨げられ、効率が低下します。
一般的には、羽根の先端から壁や天井まで40~50cm程度の空間を確保することが推奨されています。
しかし、設置場所によっては、30cm程度の空間でも効果を発揮する場合もあります。
吹き抜け部分の天井高が5m程度ある場合は、大風量タイプのシーリングファンに90cm程度の延長パイプを付けて設置することで、空気循環が良くなります。
また、安全面を考え、設置場所周辺の計測を行い、延長パイプの長さで位置調整をするなど、日常生活に支障が出ないようにする必要があります。
吹き抜け側に開く窓がある場合は、窓と羽根が当たらないように注意が必要です。
シーリングファンの種類と選び方のポイント
シーリングファンには、様々な種類があります。
デザインや機能、消費電力などを考慮して、自分の家の吹き抜けに合ったシーリングファンを選ぶことが重要です。
例えば、消費電力の少ないDCモータータイプは、電気代の節約に繋がります。
また、照明機能付きのシーリングファンは、一つの照明器具として使用できるため便利です。
シーリングファン導入における注意点とよくある質問
シーリングファンの電気代は?
シーリングファンの消費電力は、機種によって異なります。
DCモータータイプはACモータータイプに比べて消費電力が少なく、電気代の節約に繋がります。
また、使用時間や風量によっても電気代は変化します。
常に回しっぱなしにする場合でも、1ヶ月あたりの電気代は数百円程度と比較的安価です。
掃除のしやすさはどう?
シーリングファンは、高所に設置されるため、掃除が大変です。
定期的な掃除が必要ですが、伸縮式の掃除用具などを活用することで、比較的簡単に掃除できます。
設置工事費用はどのくらい?
設置工事費用は、設置場所や機種、業者によって異なります。
新築時に設置する場合、照明工事費用に含まれるケースが多いです。
既存住宅への設置工事の場合は、業者に依頼する必要があります。
設置後のトラブルやメンテナンスについて
シーリングファンは高所に設置されるため、設置後も定期的な点検やメンテナンスが必要です。
羽根のゆるみ、異音、振動などが発生した場合は、速やかに点検・修理を行って、安全に気を配って使用しましょう!
また、定期的な清掃を行うことで、故障を予防し、長く安全に使用することができます。
まとめ
今回は、シーリングファンを吹き抜けに設置する際のポイントを解説しました。
吹き抜けの広さや天井高、設置位置などを考慮し、適切なサイズのシーリングファンを選ぶことが重要です。
また、定期的な清掃など適切なメンテナンスを行うことで、シーリングファンの効果を最大限に活かすことができます。
と、今回は吹き抜けに設置するシーリングファンについて解説していきました。
繰り返しになりますが、断熱性・気密性の高い住まいであれば、大きな吹き抜けがあってもシーリングファンは不要です。
弊社でもかつては吹き抜けが寒さの原因となることを恐れてシーリングファンを設置していましたが、充分な断熱性・気密性があればまったく必要がないことが確認でき、最近では設置しておりません。
シーリングファンは、メンテナンスの面倒さやコストなどのデメリットもあるため、できれば設置しないことをお勧めします。
どのような方針で家づくりしていくか、迷われる方はぜひ一度弊社にお声がけくださいね!