新居には吹き抜けがほしいのだけど、シーリングファンは設置した方がいいんだろうか……?
吹き抜けにシーリングファンを設置する必要性やメリット・デメリットがわからない、失敗したくない……。
そんな悩みをお持ちのあなたへ。
この記事では、吹き抜けにシーリングファンを設置する必要性やメリット・デメリット、選び方のポイント、失敗しないための注意点などを詳しく解説します。
吹き抜けにシーリングファンを設置する必要性
吹き抜けのある家に憧れるけど、冷暖房効率やインテリアとの相性、設置の難しさなど、気になることがたくさんあると思います。
そもそも吹き抜けにシーリングファンを設置する必要性があるのか悩んでいらっしゃる方も多いでしょう。
まずは一般的に言われる、吹き抜けへのシーリングファン設置のメリットを以下に列挙します。
1: 冷暖房効率の向上
シーリングファンは、空気を循環させることで、室内の温度ムラを軽減すると言われています。
たしかに吹き抜けの場合、天井が高いため、冷暖房の効率が悪くなりがちです。
シーリングファンを設置することで、空気を対流させ、冷暖房の効率を向上させることができます。
特に、夏は天井付近にたまった熱気を下に送り込み、冬は暖気を部屋全体に循環させることで、快適な温度環境を実現できます。
ただ、これはあくまで断熱性能が低い、かつての家づくりでのお話です。
たしかに今でも断熱等級5程度しかない住宅で吹き抜けを設けた場合は、冷暖房効率が悪くなるため、シーリングファンを設置することで冷暖房効率を向上させることは可能です。
しかし、概ねUA値0.40以下程度の断熱等級6レベル以上の住宅であれば、吹き抜けによる冷暖房効率の悪さというのは感じなくなります。
当社では全館空調を始めたばかりの頃に、心配性の私は少しでも冷暖房効率を向上させようと吹き抜け部にシーリングファンを設置したこともありましたが、実際には断熱性能がしっかり高ければ、シーリングファンを作動させなくても充分な暖かさを得られることが分かっています。
したがって、これから断熱性能の高い家づくりをおこなう予定であれば、吹き抜けのある住宅でもシーリングファンを設置する必要はありません。
今も吹き抜けのある家づくりはおこないますが、空調計画をしっかりおこなうことで、シーリングファンはつけずに充分快適な生活を提供できております。
2: 電気代の節約
冷暖房効率が向上することで、電気代の節約にも繋がります。
シーリングファンは、エアコンと併用することで、エアコンの運転時間を短縮することができます。
結果として、電気代を大幅に削減できる可能性があります。
ただ、これも断熱性能が低いかつての家づくりにおける一般論に過ぎません。
断熱性能を高めればシーリングファンを設置する必要がなくなり、シーリングファンを回すために必要となる電気代が不要になります。
低い断熱性能の家で少しでも冷暖房効率を上げるためにシーリングファンをつけるのと、 高い断熱性能でシーリングファン不要で快適に過ごせるのとで、 どちらが賢明な選択かは自明です。
3: 室内の空気循環
シーリングファンは、空気を循環させることで、室内の空気の質を高めます。
換気扇だけでは届かない、部屋の隅々まで空気を循環させることができます。
特に、結露が発生しやすい冬場や、ペットを飼っている家庭では、室内の空気を新鮮に保つ効果が期待できます。
これもかつての古い家づくりでのお話です。
空気を循環させるためにもっとより良い方法はいくらでもあります。
わざわざ空気循環の目的のためにシーリングファンを設置するのは無意味でしょう。
4: インテリアのアクセント
シーリングファンは、おしゃれな空間作りにも役立ちます。
様々なデザインのシーリングファンが販売されているので、お部屋のインテリアに合わせたものを選ぶことができます。
吹き抜けの空間をよりスタイリッシュに演出したい場合は、シーリングファンは最適なアイテムです。
ひと昔前までは上記のような考えを持つ方も多かったようです。
たしかにシーリングファンがあると、なんとなくおしゃれな気がしたものです。
現在はスッキリした空間が好まれますので、わざわざインテリアの目的のためだけに不要なシーリングファンを設置する必要はないでしょう。
吹き抜けにシーリングファンを設置するデメリットと注意点
シーリングファンは上記の通り、断熱性能の低い住宅で少しでも冷暖房効率を向上させたい時にはたしかに効果があります。
しかし、設置場所やデザインによっては、デメリットや注意すべき点もあります。
以下では後悔しないための選び方や、設置の際に注意すべきポイントを紹介します。
1: 設置費用
シーリングファンの設置には、費用がかかります。
一般的なシーリングファンは、数万円から数十万円と、価格帯が幅広いです。
また、設置工事には別途費用がかかります。
2: 騒音
シーリングファンは、回転しているため、多少の騒音が発生します。
特に、風量が多いタイプや、古いタイプのシーリングファンは、騒音が気になる場合があります。
3: 掃除のしにくさ
シーリングファンは、天井に設置されているため、掃除が大変です。
羽根やモーター部分にホコリが溜まりやすく、定期的に掃除をする必要があります。
まとめ
断熱性能の高い現代的な家づくりをおこない、空調計画をしっかりおこなうのであれば、吹き抜けにシーリングファンを設置する必要はありません。
断熱等級5程度の断熱性能の低い住宅であれば、少しでも冷暖房効率を向上させるために吹き抜けへのシーリングファン設置を検討しても良いですが、上記の通りデメリットがあります。
シーリングファンは設置せずに、断熱性能を向上させることで冷暖房効率を向上させることをお勧めします。