高気密高断熱住宅は、省エネで快適な暮らしを実現するための魅力的な選択肢です。
しかし、その優れた断熱性能ゆえに、エアコンの台数や設置場所選びに頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。
エアコンを適切な台数、適切な場所に設置しなければ、せっかくの高気密高断熱住宅のメリットを十分に活かせません。
高気密高断熱住宅はただそれだけで快適な暮らしができるわけではなく、エアコンによる空調計画とセットで熟慮してはじめて効果を発揮するのです。
そして適切な空調計画は光熱費の削減にも大きく関わってきます。
今回は、快適で省エネな暮らしを実現するためのエアコン選びのポイントを、具体的な方法とともにご紹介します。
高気密高断熱住宅のエアコン台数
必要なエアコン台数の算出方法
「高気密高断熱住宅だからエアコン1台で全館空調できます」と宣伝する工務店・ハウスメーカーが多いようです。
確かに、「エアコンの冷暖房能力的には」1台で充分な家づくりをすることは可能です。
冷暖房能力の観点で見た必要なエアコン台数は、家の広さや間取り、家族構成、ライフスタイルなど、様々な要素によって異なります。
まず、家の断熱性能を表すUA値や気密性能を表すC値を確認しましょう。
これらの数値が低いほど、断熱・気密性能が高く、少ないエアコン台数で済む可能性があります。
さらに、部屋の広さや窓の数、日当たりなども考慮する必要があります。
南向きの大きな窓がある部屋は、日射熱の影響を受けやすく、エアコンの能力が不足する可能性があります。
これらの要素を総合的に判断し、必要台数を決定しましょう。
計算式を用いたより精密な算出方法も存在します。
各部屋の熱負荷とエアコン能力
各部屋の熱負荷とは、その部屋がどれだけ熱を吸収したり放出したりするかを表す指標です。
熱負荷が高い部屋は、エアコンの能力も高くする必要があります。
熱負荷に影響を与えるのは、部屋の広さ、窓の面積、日当たり、外壁の種類などです。
これらの要素を考慮して、各部屋に必要なエアコン能力を計算します。
計算には専門的な知識が必要となる場合もありますので、ハウスメーカーや専門業者に相談することも有効です。
冷暖房効率を高める設置方法
エアコンの設置場所も、冷暖房効率に大きく影響します。
冷気は下に、暖気は上に向かう性質があります。
そのため、冷房時は高い位置に、暖房時は低い位置にエアコンを設置できればより効率的ですが、現実的にはエアコンはそんなに簡単に設置位置を変更することは不可能です。
一般的にはメーカーの推奨の通り、壁面の高い位置に設置することが普通でしょう。
また、エアコンの風向きを調整することで、効率的に冷暖房を行うことができます。
風の流れを妨げる家具の配置にも注意が必要です。
さらに、室内機と室外機の距離が短いほど、配管内の冷媒の循環効率が向上し、省エネにつながります。

快適で省エネなエアコン設置場所の決定方法
エアコン設置場所の選び方
エアコン設置場所を選ぶ際には、いくつかの点を考慮する必要があります。
まず、部屋の形状とエアコンの風向きを考慮し、冷暖気が効率よく循環する場所を選びましょう。
窓から直接風が当たる場所や、家具で風の流れが妨げられる場所は避けるべきです。
また、メンテナンスのしやすさも考慮し、掃除や修理がしやすい場所を選ぶことが重要です。
全館空調導入のメリットデメリット
全館空調システムは、家全体を一定温度に保つことができるシステムです。
全館空調システムと一口に言ってもその方法は様々なものがあります。
一般的には、家に1台~3台ほどの専用のエアコンを設置し、そのエアコンから吹き出す冷風・温風をダクトなどで各居室に分配する形式が多いでしょう。
メリットとしては、家全体の温度ムラを少なくしやすく、快適な環境が実現できる点です。
しかし、導入費用が高額であること可能性がある点には注意が必要です。
また、工務店・ハウスメーカー独自のシステムなどの場合は、使用可能な機種が限定されていることもあり、その場合は故障時に交換を依頼できる先が限られてしまうことにより、交換費用が高くつくというデメリットもあり得ます。
導入を検討する際には、メリットとデメリットを比較検討し、ライフスタイルや予算と照らし合わせて判断することが大切です。
光熱費削減のための省エネ対策
光熱費を削減するためには、エアコンの適切な運転方法も重要です。
例えば、外出時はエアコンを消す、設定温度を適切に調整する、こまめなフィルター掃除など、省エネ効果を高める工夫は様々です。
窓に断熱フィルムを貼る、カーテンやブラインドを活用するなども有効です。
これらの対策を組み合わせることで、さらに省エネ効果を高めることができます。
白田工務店でのエアコン台数・空調計画
エアコン台数は? 設置場所は?
弊社の事例では、エアコンは家全体で3台設置することが多いです。
もちろん、弊社の建てる高気密高断熱住宅であれば、前述の通り、「エアコンの冷暖房能力的には」1台で家全体を涼しくし、暖めることは容易に可能です。
しかし、1台のみで冷暖房を行うことは絶対に推奨しておりません。
まずはエアコンから吹き出される冷気・暖気の性質による、冷暖房の効率の面からご説明します。
先にご説明した通り、冷気は下に、暖気は上に向かいやすい性質があります。
その性質をうまく利用するためには、
・冷房用のエアコンを2階で運転し、2階も1階も冷やす。
・暖房用のエアコンを1階で運転し、1階も2階も暖める。
という使い方が最も効率的で理に適っているのです。
そのため、最低でも1階に1台、2階に1台のエアコンは必要となります。
そしてもうひとつ、これが重要なのですが、最近のエアコンは昔に比べて非常に故障が多くなっています。
原因は様々あるかと思います。
エアコンの機能が高度化しているために壊れやすくなっているとか、円安による原材料価格高騰をカバーするため昔に比べて安価で粗悪な材料を使用しているとか、昔と違って24時間連続運転での使用が増えておりそれに耐えられる造りになっていないとか、様々な理由がささやかれています。
2階にエアコンが1台しかない場合、真夏の一番暑い時期に故障して動かなくなってしまったとき、冗談ではなく家族の生死に関わります。
高気密高断熱住宅は家の中の熱を逃がしにくい構造ですので、夏の暑い時期に冷房運転ができない場合、窓から差し込む日射熱がどんどん宅内に溜まっていき、オーバーヒートしてしまうのです。
そのため、2階に設置する冷房用のエアコンは、2台設置することを推奨しています。
逆に、暖房についてはもし1階の暖房用エアコンが故障してしまっても、高気密高断熱住宅であれば寒さで死んでしまうようなことはまずありません。
そのため1階は1台でも大丈夫ですよ、とご説明しています。
ということで話をまとめると、弊社では
・冷房用のエアコンを2階に2台設置。
・暖房用のエアコンを1階に1台設置。
以上をお勧めしています。
そして特にお勧めしているのが、1階の暖房用エアコンは床下エアコンとすることです。
これは床下が容易に掃除できる高基礎仕様とする場合のみお勧めしている設置方法です。
エアコンを1階の床面付近に設置し、エアコンから吹き出る暖気を床下に吹き込む方法で、これによって1階の床面はまるで全面床暖房のように暖かに感じます。
この1台を24時間運転し続けるだけで、真冬の山形でも容易に全館暖かくキープすることが可能となるのです。
興味のある方はぜひ弊社にお尋ねください。

まとめ
高気密高断熱住宅におけるエアコンの台数と設置場所は、快適性と省エネの両面から重要な検討事項です。
家の性能、間取り、ライフスタイルなどを総合的に考慮し、適切な台数と設置場所を選びましょう。
全館空調システムの導入も選択肢の一つですが、費用対効果をよく検討する必要があります。
さらに、省エネ運転やその他の省エネ対策を組み合わせることで、光熱費の削減にも大きく貢献できます。
快適で経済的な住宅生活を実現するために、最適なエアコン選びを心がけましょう。
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