朝日町の和合にて進行中の新築工事。
前回の現場紹介では鉄筋コンクリートの配筋工事についてお伝えしました。
今回の記事では、基礎の型枠外しから土台敷きまでの様子をご紹介できればと思います。
基礎完成から土台敷き完了までの作業工程とは?
1:基礎コンクリートの型枠外し
基礎のスラブ部分と立ち上がりに生コンクリートを打設し、5日間以上(時季による)の養生期間を経た後、型枠を全て外します。
型枠を外すまで表面の仕上がりは分からないため、型枠を外す前は少し緊張します。
型枠を外した後は、バリと呼ばれるはみ出して固まったコンクリートなどを削ぎ落としたり掃除をしたりと、綺麗に仕上げていきます。
余談ですが、型枠を組んだ時と、脱型して型枠をしまう際は、油を塗布します。この一手間を行うことにより、以下のような効果が生まれます!
・施工後のコンクリートと型枠が離れやすくなる
・コンクリートの外観を平滑に保つ
・型枠保管中のサビや腐食を防ぎ、耐用期間を延ばす
道具の手入れをしっかりして片付けるのも、綺麗な基礎を作り上げる一助になっているわけです!
この基礎型枠の脱型までは基礎屋さんのお仕事。
この後の土台敷きからいよいよ本格的な「木工事」がスタートします。
2:墨付け
この墨付けとは、基礎の上に土台となる木材を取り付ける際に、設計図の情報を施工現場に反映させるために墨を使って線や寸法を記す作業です。
土台墨付けは、建物の基礎の位置を正確に決定するために重要な作業といえます!
ここで設計図通りの墨出しができないと、この後の土台敷がうまく出来ないだけでなく、家全体のズレや歪みにまで影響が出るので、正確な作業が必要になってきます。
3:土台敷き
土台敷きとは、墨付けで付けた線をもとにして、基礎天端に土台を設置していく作業です。土台を敷いたうえで大引きや根太をはめていき、1階床の骨組みまで作っていきます。住宅の重要な工程のひとつで、大工さんが最初に取り掛かる作業の1つです。
弊社では大まかに以下のような手順で進めています。
・土台の設置場所に材木を並べ、ホールダウンとアンカーボルトの位置を測りながら土台に貫通穴を開ける
・基礎の天端にバリアパッキンという黒いシート状の気密パッキンを貼る
・墨付けした位置を確認しながら、防蟻処理をした土台を設置する
・水平高さを確認・調整し、アンカーボルトに座金をはめて固定する
・大引や根太、鋼製束を設置していく
土台敷きでは、土台の高さに大きな違いがあったり、縦と横で角度に大きな違いがあると後工程に影響が発生するため、注意しながら進める必要があります!
重要な施工は第三者監査のチェックでミス防止!
基礎や土台の施工精度は、家全体の完成度にも大きな影響があるため、高い品質が求められます。
なので、自社の確認だけでなく、第三者にも土台敷きが完成した後の状態をチェックしてもらうことが重要です。
今回の工程でも、第三者監査に入っていただきました。
今回は、一部アンカーボルトが土台の中心から許容範囲を少し超えて外れた箇所にあることを監査員から指摘いただいたため、土台の横面に補強金物を取り付けて是正完了。
人間が手作業で工事をする以上、どんな現場でも「指摘なし」は「絶対にありえません」。
大事なのは、「不備を極力見逃さず、是正してから次へ進むこと」です。
性能を重視した家づくりをおこなう工務店が増えていますが、もしも現場で不備だらけだと設計上の性能を出すことは不可能です。
設計で狙った性能をしっかり出していくためには、不備を極力見逃さないこと。
そのための体制ができているかどうか?
第一義的には当然、設計者個人がその責任を負いますが、どうしても一人のチェックだけでは見逃しがあります。
第三者監査を組み合わせたダブルチェックを経ることで、より厳しく施工不備の見落としを防ぐ体制を、当社では取っています。
今後の工務店選びでは、性能だけでなく、その点が重要になっていく時代が来ることでしょう。
今回の現場でも、しっかり不備を指摘いただき、是正できました。
これで安心して建て方を進めることができそうです。
土台の完成度が低いとどんなことが起こる?
「基礎や土台が家全体の完成度に影響する」と言いました。
では土台敷きの精度が低い場合、どのような悪い影響があるのか。例えば以下のような問題が考えられます。
1. 構造的な不安定性
土台が不均一であると、建物全体のバランスが崩れ、構造的な不安定性を引き起こす可能性があります。
2. 床の傾き
土台の高さが不均一だと、床が傾くことになり、家具の配置や日常生活に支障をきたします。
傾きがひどければ、そこに住む人の健康を害する恐れもあります。
3. 亀裂やひび割れ
基礎との接続が不適切な場合、土台に亀裂やひび割れが生じるリスクが高まります。これにより、雨水の侵入や腐食の原因となります。
4. 耐震性の低下
土台敷きの不正確さは、地震時の耐震性に悪影響を与える可能性があり、建物の安全性を脅かします。
5. 施工コストの増加
精度が低いと、後工程での修正が必要になるため、追加の施工コストが発生することがあります。
これらの問題を避けるためには、土台敷きの工程を慎重に行うことが重要です。
そして、ミスがあったとしてもそれを見逃さないチェック体制と、それをしっかり是正する対応が大事といえます。
今回は、基礎の型枠外しから土台敷きまでの様子や、第三者監査の様子、そして基礎および土台敷きの精度がどれだけ大事なのか、をご紹介しました!
完成後に見えなくなる部分ではありますが、そういう「見えなくなる所」こそ家づくりの重要ポイントがたくさん詰まっているので、今後の現場レポートでもご紹介できればと思います。
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土台敷きについては、以下の記事でも紹介しているので、こちらもぜひ一読してみてくださいね!
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