朝日町の和合にて、新築施工が本格始動しました!
先日、鉄筋の配筋作業が完了したので、その様子をご紹介していきます。
今回の記事では、コンクリートを打設した後に見えなくなる重要ポイントについてもご紹介していくので、ぜひチェックしてみてくださいね。
見えなくなるけど大事な部分とは?
大抵の方は完成した住宅しか見たことがないのでイメージしづらいかもしれませんが、住宅の建築工事においては「後で見えなくなるけど大事な部分」というのが大量に隠されています。
むしろ「良い家になるかどうかは見えない部分でどれだけ手を抜かないかにかかっている」と言ってもまったく過言ではありません。
たとえば今回ご紹介する基礎工事。
基礎コンクリートの中には複数のアイテムが使われているのですが、コンクリートの打設によってほとんどが見えなくなってしまいます。
ですが、その見えなくなる部分こそが大事なポイントだったりします!
どんなアイテムが、どのような用途で使われているのか、いくつかご紹介できればと思います。
スペーサーブロック
通称で「サイコロスペーサー」「サイコロ」と呼ばれるものなのですが、これを鉄筋の下に敷くことで、地面の防湿シートから鉄筋までのコンクリートの厚み(かぶり厚)を調整することができます。
そもそも鉄筋は、コンクリートによる適切なかぶり厚さがあることで初めて、求められる耐久性を発揮できるものになるため、このかぶり厚さ寸法がしっかり確保できるかどうかというのは非常に重要なチェックポイントなのです。
たとえばこのスラブ鉄筋のコンクリートかぶり厚さは、建築基準上施行令、つまり法律によって「60mm以上にしなければならない」という決まりがあるので、要注意ポイントのひとつです!
「だったら60mmのサイコロを使えばクリアできるから簡単じゃん」と思われるかもしれませんが、そう簡単ではありません。
鉄筋はその自重によりたるみが生じます。サイコロスペーサー同士の間隔は、当社の施工基準において1,000mm以内と決めておりますが、その1,000mmという短い間隔の中でも鉄筋は途中で垂れてしまいます。60mmのサイコロスペーサーを使ってしまうと、サイコロとサイコロの中間では60mmのかぶり厚さが確保できない箇所も出てきてしまうのです。
これについては、当社の施工基準においては70mm(または80mm)のサイコロスペーサーを使用することで、適切なかぶり厚さが確保できるように工夫しています。
一方で、かぶり厚さが厚すぎても「無筋コンクリート」といって鉄筋のない脆いコンクリートの扱いになってしまうため、その点にも注意が必要です。
星型スペーサー
写真に映る白い星型の物を指します。鉄筋コンクリート工事において、特に基礎立ち上がりの鉄筋のコンクリートかぶり厚さを確保するために使用されます。今回は星型のものを使用していますが、他にも「ドーナツスペーサー」という丸型のスペーサーもよく使われます。
一般にはドーナツスペーサーが使われることが多いですが、今回は鉄筋屋さんの配慮で星形スペーサーを選んでいただいたようです。
星型は隙間が広いため、コンクリートを打設したときに隙間なく施工がしやすいのが特徴です。特にドーナツスペーサーの場合、(誤った取付方法で)縦筋にはめ込んでドーナツスペーサーが横向きになってしまうと、流し込んだコンクリートがドーナツスペーサーに堰き止められてうまく回り込まず、基礎の中に空隙ができてしまうという欠陥もまれに発生するようです。星型スペーサーの場合はそういった心配がないため横付けをしても問題がないという商品になっているようです。
コンクリートの内側に隙間や空間ができてしまうと基礎コンクリートの強度に影響が出てくるので、隙間なくコンクリートを流し込めるよう工夫することは大事なポイントの一つです。
キソ止水プレート
主にベタ基礎のスラブと立ち上がりのコンクリート打ち継ぎ部分に設置されるものです。
止水プレートという名称ではありますが、もっとも期待する効果は「シロアリの侵入防止」です。
シロアリの最小サイズは、卵からかえったばかりの幼虫で約1mm、成体で約3.5mmほどなので、ちょっとした隙間からでも侵入してしまいます。
スラブと立ち上がりを別々に打設する工法の場合、どうしてもその打ち継ぎ部に微細な隙間が生じてしまい、そこからのシロアリの被害というのもよくあることのようです。
冬寒い山形ではシロアリの被害はそれほどないと思われがちですが、だからこそ対策が疎かになっていることが多く、被害はそれなりに多く発生しています。
ましてや、地球温暖化により越冬するシロアリが多くなり、東北地方でのシロアリ被害は今後ますます増えていくという予測が立てられております。
シロアリへの対策は今後ますます重要になっていくでしょう。
第三者監査のチェックで完璧な仕上げに!
基礎の配筋作業が完了し、社内検査の後、第三者監査を受けました。これはよく一般の工務店がいう瑕疵保険の検査とは異なるものです。
新築工事では、後戻りできない重要な工程がたくさんあります。建築工事は、工事が進めば後からチェックすることができなくなってしまう箇所が非常に多いのです。
そして建築工事は人間がやることですから、「施工不備のない現場は絶対にない」という意識が大事。
「不備があるのは当然として、それを極力見落とさないチェック体制」が求められます。
当社では後戻りできないいくつかの工程において、その工程が終わるごとに第三者監査を入れております。
そしてその監査を通過・是正するまでは次の工程には進みません。これにより、施工不備を見逃さない体制を整えております!
今回は配筋後スラブコンクリート打設前の監査。
監査結果はほぼ完ぺき! これまでの反省が活かせているようで安心しました。
一部の軽微な不良箇所(土間防湿シートの防水気密テープ処理不備)の指摘を受け、その場ですぐ是正することで監査を通過しました。
建築における第三者監査とは、独立した第三者機関が建築工事の品質、法令遵守、安全性などを評価・確認するプロセスです。この監査は、以下のような目的があります。
- 品質保証: 建築物が設計通りに施工されているか、品質基準が満たされているかを確認します。
- 法令遵守: 建築基準法や関連法規に従っているかをチェックします。
- リスク管理: 潜在的な問題やリスクを早期に発見し、対策を講じることができます。
- 透明性の確保: 工事の透明性を高め、関係者間の信頼を築きます。
第三者監査は、工事の各段階で実施されることが重要。
建物の安全性や耐久性を確保するための重要な手段となります!
今回の和合のCoRoDo.においては、お客様へ工事完了引渡しをするまでに全10回の第三者監査を受けることを予定しております。
どの監査も家づくりにおいて重要なポイントをチェックしてもらうことになるので、完成まで気を抜かず、精度の高い施工を心がけてまいります!
今回はスラブコンクリートを打設する直前の状態をご紹介しました!
施工途中の現場でしか見れないポイントですが、いかがでしょうか?
基礎の中にもいろんな工夫が散りばめられているんだな!ということを知ってもらえたら嬉しいです。
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以下の記事でも基礎コンクリートに関する大事なポイントをご紹介しています! ぜひこちらも合わせてチェックしてみてくださいね。
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